チコリーという植物

約10年前、私、カヤカヤファーマーが就農するまでは、チコリとは、ラグビーボールのような形で、全体の半分ほどが黄色がかった野菜の一種という程度の認識でした。それは正しくは「ウィットルーフチコリー/ベルギーチコリー」のことでした。

就農した時点で、携わった農園のビニールハウス内ではベビーリーフが栽培されており、すぐに扱うことになりました。
その際、使っていたタネはお示ししている、イタリア野菜のミックスタネでした。
初めて見る野菜ばかりでしたので、珍しさもあり、バリエーションの豊富さに魅力を感じました。


もともと、結構何でもかんでも、バリエーションの豊かなものにはひかれる性格だったのですが、チコリーが知っていたものより、相当数の品種が存在することを程なく知ることになり、一層、興味が湧いてきました。

今では、国内でもチコリーの認知度は徐々に高まってきていることは感じます。
一方で、その品種の豊富さについてや、品種間で色彩も形状も全く異なるのに、分類を定義してくれる資料を見つけることができていません。栽培についても、分類は手法面で大切なヒントとなります。

各コーナーの内容について

ご紹介している各コーナーの記述内容は、誤りの訂正、表現の修正、追加の記述などを適宜行います。
大きな修正変更の場合を除き、履歴を明記することは、控えさせていただきます。

01.チコリーの品種分類と名称

チコリーとリーフチコリー

チコリーとは、植物の一種としての固有名詞です。
多菜畑農園が手掛けているのは、野菜としてその葉を食べる、栽培品種群の総称「リーフチコリー」ということになります。
また、チコリーのタネはすべて「固定種」となっています。

タネのパッケージを見てみましょう。

2社共に品種名表記と別に言語の内容は異なりますが、「リーフチコリー」の表示がされています。

Leaf chicory(英語)
Chicorée à feuilles(フランス語)
Blattzichorie(ドイツ語)
Achicoria silvestre(スペイン語)
Chicória com folhas(ポルトガル語)
Radič(スロベニア語)
цикорий(ロシア語)
Pαδίκι hmepo(ギリシャ語)

イタリア語は裏面にやや小さく表示されています。
CICORIA A FOGLIE(チコーリア ア フォッリエ) 

このサイトでは、曖昧なところもありますが、「チコリー」と表記させて頂きます。

栽培品種とは

一般的には、望ましい性質を選抜した、増殖可能な植物の集合の意味します。
実際は、選択・交雑・突然変異などにより、人為的(育種、品種改良)あるいは自然に誕生し、他の栽培品種や原種と識別される特性を安定して持ち、そして、その特性を維持したまま増殖ができる植物群のこととなります。
園芸分野となる花卉(かき)栽培では園芸品種とほぼ同義語で、混乱の可能性がない場合には、単に「品種」とも言われます。

固定種とは

栽培品種を確立する中で、特に品種改良について、人間にとって優良なものを選択し、それらを掛け合わせて、安定的に定まった形状や品質を栽培できるようになった品種のことを「固定種」と呼びます。
簡単に言えば、種を採って植えると次もだいたい同じものが生育する栽培品種となります。

チコリーとラディッキオの使い分け

遮光栽培などで赤く変色した株を中心にした商品をラディッキオと呼ぶかと思っていましたが、どうもそうとも言えないようなのです。
またまた、タネのパッケージをご覧ください。

2社とも品名に「MIZTICANZA」(ミスティカンサ)を使っており、HORTUS社は5種類、一方のFRANCHI社は12種のリーフチコリーを合わせて商品化しています。

リーフチコリーのことを、HORTUS社はcicorie(cicoriaの複数形)とし、FRANCHI社はRADICCHIとしています。

構成する品種名をここでは取り上げませんが、特に何かしらの傾向があるとは思われません。

PRECOCE(プレコーチェ)とTARDIVO(タルディーボ)について

翻訳ソフトを使ったイタリア語からの日本語訳ではprecoce=”早い”、tardivo=“遅い″となります。
また、イタリアの種苗メーカーのorto mioさんのWebサイトでチコリーの品種紹介を翻訳してもらうと、〝前期の″と〝後期の″とになります。
つまり、期間の基準は分かりませんが、栽培(または販売)時期の早期、後期を意味するもので、日本の種苗管理での栽培期間の早生種、晩生種を表すのではないように思われます。

トレビスについて

トレビスはリーフチコリーの品種名ではなく、商品名です。
リーフチコリーの産地のイタリア TREVISO(トレビーゾ)のフランス語での読み方から来ています。

栽培しているタネの情報から、ROSSA DI CHIOGGIA(ロッサ ディ キオッジャ)またはVARIEGATA DI CHIOGGIA(ヴァリエガータ ディ キオッジャ)が国産トレビスの中心ですが、球形の赤紫色の品種のことを総称していると考えられます。

ウィットルーフチコリーについて

日本ではチコリ(チコリー)と言えば、この種類のことでした。発見地に因んで「ベルギーチコリー」とも呼ばれます。
1850年代にベルギーの植物園で、偶然に軟白状態になったチコリーが見つかり、これが栽培の出発点となりました。

ウィットルーフチコリーはアメリカ合衆国で使われている名称ですが、イギリスでは、「Belgian endive」(ベルギーのエンダイブと呼ばれ、チコリーと同属の別種「エンダイブ」との混乱が見られます。

日本国内での生産量の第一位は、2021年時点で埼玉県です。また、北海道北見市では
極寒の降雪の時期に、ハウス内でもみ殻を使った軟白栽培がされており、
しばしばテレビのニュースに取り上げられたりしています。

国内に栽培を広めたのは、株式会社サラダコスモさん(岐阜県中津川市)で、1990年頃オランダから技術を導入し、このウィットルーフチコリーの栽培を始められました。
(生産が軌道に乗せることができたのは、2006年でした。)レストランも併設した農産物の総合販売施設「ちこり村」を運営し、チコリー栽培の副産物の根から、チコリティー、チコリコーヒー、焼酎などを生産、販売されていました。

残念ながら、コロナ禍での販売不振の影響で採算が取れなくなり、チコリの栽培は2022年に終了されてしまいました。

引き続き、「ちこり村」は営業運営されています。
簡単なことではありませんが、ウィットルーフチコリーの栽培再開を願っています。

ルートチコリーについて

根を食べるチコリーです。

多菜畑農園で栽培したことはありませんが、一品種として、HORTUS社からタネが発売されています。
学名として、「Cichorium intyubus var.sativum 」とされており、チコリーの「変種」として扱われています。
一方で、パッケージの表示はリーフチコリーとしても扱われています。

タネのパッケージの説明では、「生で食べると甘く柔らかです。イタリアの根菜類として知られています。」となっています。

パースニップのような野菜なのでしょうか?
栽培する予定はありませんが、一度は試してご紹介しなければと思います。

02.日本国内でのチコリーの種苗メーカー

チコリーは自らタネを確保することが難しい品種です。種苗メーカーさんが販売、供給してくれるタネに頼ることになります。
また、チコリーのミックスリーフの構成上、ホビー用種子であっても、定期的に輸入販売していただける会社の存在はとても重要です。

トキタ種苗株式会社(埼玉県さいたま市)
「グストイタリア」シリーズを軸に農家から家庭菜園に至るイタリア野菜の普及に努められている種苗メーカーさんです。
種子販売を起点に農産物の販売資材、販促資材の発売、栽培技術向上のプロモーションなど、総合的に農家支援も行っておられます。

リーフチコリーにもかなり力を注がれ、2022年度のカタログではトップページにヴェネチア(商品名、品種名:ロッサ ディ キオッジャ)を掲載し、商品名の列記ですが、タルディーボ、プレコーチェ、カステルフランコ、ルシア、カタローニャ、プンタレッラ、ズッケロを紹介、発売しています。
種子本体はイタリアで生産されたものかと思いますが、何より発芽が安定しているのが魅力です。

中原採種場株式会社(福岡県福岡市博多区)
ベビーリーフを栽培する生産法人を含む多数の農家さんが、この中原採種場さんの「ベビーリーフシリーズ」のタネを使われているかと思います。

トップページなどでもお伝えしましたが、多菜畑農園のリーフチコリー栽培を支えてくれている「チコリー(トレビス)」と「チコリー(イタリアンレッド)」の発売元になります。
やはり、安定した発芽率と葉のバリエーションの豊富さが大きな魅力です。

株式会社グリーンフィールドプロジェクト(神奈川県厚木市)

有機栽培で生産されたタネのみを取り扱われる会社です。自社生産されるほか、有機認証を得た種子の輸入販売をされています。
このwebサイトを作る過程で初めて知った種子メーカーさんですが、主要種苗メーカーのタキイ種苗さんともつながりがあるようで、そちらからもタネの購入ができます。

リーフチコリーでは、「ヴァリエガータ ディ カステルフランコ」と「トレビス」(パラ ロッサ)の2品種を販売しています。webサイトを見る限り、かなり「有機」への強い思い、情熱を感じます。

ナチュラル・ハーベスト有限会社(東京都新宿区)

FRANCHI社、HORTUS社などイタリア、フランスの種子メーカーの製品を中心に、野菜、ハーブ、花の種子を直輸入し、オンラインで販売されています。就農当初からお世話になりました。

多菜畑農園の主要商品「チコリーのミックスリーフ」の品種構成上、ホビー用(家庭菜園用?)でも、バリエーションの保持には欠かせません。
栽培実績としては、パッケージの日本語訳に堂々の「発芽率65%」表示はそれとして、65%以下のケースも印象としてはありますので、辛いところもありますが、今後も導入は継続する予定です。

03.ハーブとしてのチコリー

チコリーの花盛り  畑でここまでの姿になるのはあまり見られません。実は廃棄した株を放置状態にしたところ、このようになりました。

チコリーは古くからハーブとしても利用されています。この場合、使う部位はチコリーの根になります。

冒頭にお伝えしましたが、紀元前4世紀のパピルス文書は医学書ですが、その記述では「魔力を持ったハーブ」として紹介され、チコリーを持ち歩くことで、人生のあらゆる障害を取り除いてくれるハーブと信じられていました。
また、倹約を続けることを助けてくれるともいわれていました。

ハーブティーとしての使い方

根をご覧頂いても、ヒゲのような長めの根毛が多い以外、何か特徴あるものでもありません。
品種による違いもありません。
画像の根は比較的若い株の根で、もっと太く大きくなります。



ハーブティー用にするには、まず、掘り起こした根を十分に乾燥させる必要があります。
それをフライパンで弱火でから煎りし、ミキサーを使い、パウダー状にします。
再度から煎りとミキサー処理を3回ほど繰り返し、サラサラとした粉末へと仕上げます。

ドリップコーヒーの入れ方でティーとして利用します。
※申し訳ありませんが、カヤカヤファーマーは自分で作ったことは、まだ、ありません。

ハーブ(herb)とは

ハーブは、有用植物として、古くからヨーロッパで使われてきました。その効果については、概ね、下記の通りです。
・内服薬、外用薬として利用できるもの。
・防臭、防腐、防虫などに役立つ植物。
・芳香があり、その香りに鎮静作用や興奮作用がある植物。
コショウなどのスパイス(香辛料)も保存料、香りづけ、薬などに使われましたが、アジアなどからの交易による輸入品のため、高価なものでした。
ハーブは主に身近な植物を使用し、一般民衆のものとして、広く使われてきました。

04.チコリーの栄養と効用

文部科学省のWebサイトで、チコリ(ウィットルーフチコリー)とトレビスの葉部分の成分分析表が公開されています。

2種類のリーフチコリーの栄養成分については、ビタミンK、ビタミンA、ビタミンC、食物繊維、カリウム、マンガン、葉酸が豊富に含まれていることが分かります。

チコリーの根に含まれる栄養成分

実はチコリーは葉より根の方が栄養成分が豊富です。


最も注目される栄養成分は、イヌリンです。
イヌリンは、菊芋、ゴボウ、ニラなどの植物で作られる多糖類の一種で、水溶性食物繊維でもあります。

糖尿病予防
イヌリンは腸に入ると、一緒に摂った糖質の吸収を抑制する働きをし、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進します。
この働きは結果として食後の急激な血糖値の上昇を防ぐことになり、血糖を調節するために必要なインスリンの不足を事前に防止します。
イヌリンを含めた水溶性食物繊維は、糖質の吸収速度を緩やかにし、インスリン産生に負荷をかけないことで、糖尿病を予防する効果があります。
腸内環境調整効果
イヌリンは腸で分解されると、フラクトオリゴ糖として働きます。フラクトオリゴ糖とはショ糖に1~3個の果糖が結合したもののことで、難消化性のオリゴ糖に分類されます。これが腸内の善玉菌の増加に効果を持ち、腸内環境を整えることになります。

チコリ酸も重要な栄養成分です。
チコリ酸はポリフェノールの一種です。
チコリ酸の摂取により、脂肪肝の改善が確認されたり、抗酸化防御システムが強化されて、肥満を抑制する効果もあります。

最近では、アルツハイマー型認知症の原因となる、βアミロイドタンパク質の脳細胞への集積を抑制する効果があり、アルツハイマー型認知症などの神経炎症関連疾患の治療薬につながる可能性もあるという研究も発表されています。


05.植物分類上のチコリー

※なお、Cichorium intybus var. foliosum と「var=varietas(ワリエタス)変種名:フォリオスム」が表示されていることがありますが、詳しいことがわかりませんので、改めて、お伝えします。

学名の扱い

日本でチコリーはもちろん、他の植物、野菜を呼ぶ上で、学名が使われることはありません。
また、日本だけで使われる和名は、馴染みは薄いものの「菊苦菜(キクニガナ)」という名が付けられています。

一方、世界共通の植物の一種としての「チコリー」については、学名が使われます。すべてラテン語です。
表記には、イタリック体を用いることが、基本とされています。

もちろん、世界各国の言語のそれぞれにトップページのデザインでお示ししているように、チコリーを意味する名詞があてがわれています。
ここで、またまたタネのパッケージをお示しします。

ご覧頂いているように、大きくはありませんが、学名が表示されています。

リーフチコリーの品種をたくさん紹介しているorto mioさんのWebサイトでも、各品種ごとに学名表示が確認できます。

以上の例から、少なくとも西欧では、学名についての距離が日本よりは近いのではないでしょうか。

このことは、イタリアではチコリーとは別の野菜のルッコラ(学名:Eruca vesicaria L.)を「エルーカ」と呼んでいるということからも推測できます。
(ただし、別種のルッコラ セルバチカ 学名:Diplotaxis tenuifolia L. との区別の意味もあるようです。)

チコリーの学名について

チコリーの学名 Cichorium intybus L. の発音(カタカナ表記)は「キコリウム インテュブス リンナエウス(リンネ)」となります。
なお、チコリーの「種名」は「Cichorium intybus」の2単語の部分で、「L.」の部分の命名者は種名に含まれません。
公開される文章の中などでは、省略することができることになっています。

ラテン語の読みは、ほぼローマ字読みなのですが、正確を期すため、Webサイト「生物の名前と分類」を公開されている海洋生物学者の横川浩治氏に問い合わせ、下記のようなお答えを頂きました。
※このコーナーの内容は「生物の名前と分類」をもとに、書かせて頂きました。

チコリーの学名「Cichorium intybus L.」の読み方 は?

「 Cichorium intybusをカタカナ表記するとキコリウム・インテュブスとなります。
属名のCichoriumにはχ(カイ)をラテン語に変換したch(帯気音)が含まれるのでギリシャ語由来の語と思われます。
この語尾にはumがあり一見中性名詞のように見えますが、種小名の語尾がus(男性形)なので属名は男性名詞となります。
ラテン語の辞典には intybus=intibus=intibum キクチシャと出ています。」

こちらから、「生物の名前と分類」をお読みいただけます。

※キクチシャ(キクヂシャ 菊萵苣)はチコリーと同属の別種エンダイブ(学名:Cichorium endivia L.)の和名です。(?)

全くの憶測ですが、フランス語、イタリア語、スペイン語などの俗ラテン語系のチコリーの学名の読み方は、それぞれの言語の発音に従った読み方になっているのかも知れません。

なお、チコリーの属名「Cichorium」は、ギリシア語の「畑」の意味の「kichorion」に由来し、このことはギリシア・ローマ時代から栽培されていた証(あかし)とも考えられます。

リンネの功績について

チコリーにCichorium intybusという種名を付けたのは、スウェーデンの博物学者、生物学者、植物学者カール・フォン・リンネ(Corl von Linne 1707-1778)で、1753年に発表された「植物の種」(Species Plantarum)によるものです。
ここで、リンネは植物界を「綱」・「目」・「属」・「種(または変種)」の4階級を用いて組織化しました。植物の学名設定についても、ここが現在でも起点とされています。

1758年には「自然の系統」第10版(初版は1735年)を発表しました。これは、のちに1758年1月1日を動物命名の起点の日付とされます。
そして、「リンネ式階層分類体系」の確立と、生物の学名を「属名✙種小名」の2語のラテン語で表す「二名式命名法(二名法)」の体系付けなどの功績により、「分類学の父」とされています。

また、チコリーの学名 Cichorium intybus L. のL.は植物の学名での著者(命名者/発表者名)のLinné(リンネ)を表しますが、アルファベットLの一文字だけで省略できるのはリンネだけです。

(植物の学名では、命名者/発表者の学者名の略記一覧が存在します。
その一方で、動物、昆虫など植物以外の生物については省略することはありません。)

「自然の系統」初版は千葉県にあります

千葉県立中央博物館の「資料百選」のリストに「自然の体系 初版」を見つけました。
説明文は下記のようになっています。

「1735年出版の『Systema Naturae』です。オランダで出版されたリンネが世に出るきっかけとなった本です。
 版を重ねこの第10版は、動物分類学の基礎文献になっています。」

当然、貴重書扱いですので、自由に閲覧できるとは思えません。

また、同じ「資料百選」には、「リンネ関係レンスコークコレクション 5,397点」も掲載されていて、
詳しいことは分かりませんが、リンネ関係の貴重な資料が千葉県にあることは何かうれしさを感じます。

学名がラテン語であることについて

ラテン語は古代ローマ帝国の公用語ですが、リンネが活躍していた時代には、すでに言語として使う民族はありませんでした。
それでも文語として芸術や文学の世界で広く使われていた国際語でした。したがって、学名にラテン語を用いることは、
どの国の学者にとっても中立だったことが、支持される理由でした。
なお、現在でも、ラテン語はバチカン市国の公用語として、公文書などに使われています。

日本では、生物には一般には方言名を含む和名が使われますが、恐竜や古生物などの化石化した生物と和名の無い細菌類には学名を使っています。

植物の学名について

チコリーの学名については、1753年に確定命名されたことになりますが、現代に新たに発見された植物の学名については、
発表方法や命名について、かなり厳格な決まり事がたくさんあります。
その決まり事を制定しているのが、6年ごとに開催される国際植物学会議によって改定される「国際藻類・菌類・植物命名規約」です。現在の最新版は2017年開催の中国・深圳会議で決定され、2018年に発効した、「深圳規約」となります。

その内容などまでは、とてもお伝えできませんが、他の生物については、「国際動物命名規約」「国際原核生物命名規約」
があり、植物の学名の扱いと動物などの植物以外の扱いには、かなり、違いがあることだけをお伝えしておきます。